EH500型電気機関車

90番台

上:91号機 下:93号機
上:91号機 下:93号機

EH500型電気機関車(90番台)は、1991年に製造されました。



性能


制御方式:VVVFインバーター制御

最高速度:130km/h

出力:8000kW/h(1000kW/h電動機×8機)

制動方式:電気指令式ブレーキ(*1)

                 渦電流式レールブレーキ(*1)

                 電磁弁付き自動空気ブレーキ(*2)


*1:機関車単体 及び黒電所有の急行貨物車両と連結時に使用。

*2:*1で示した以外の貨車と連結時に使用。



登場の経緯

1980年代後半より旅客列車、とりわけ特急列車や急行列車の高速化が急務となりました。

新型特急列車の導入や線形の改良、退避設備の増設などの対策を行いましたが、依然として大きな壁が立ちはだかっていました。


その壁こそが、貨物列車だったのです。

旧来の仕様を引き継いだ貨物列車は最高速度75km/h、ED300型重連によるコンテナ貨物列車も95km/hと、特急列車はおろか各駅停車よりも遅いという状況でした。

そこで黒電は、この状況を打開すべく新型機関車の開発に取り組むことになりました。



開発のコンセプト


・最高速度の向上で旅客列車と同等に走行させる

・牽引力の強化で1列車あたりの輸送力を増やす。(≒貨物列車の本数を削減し、旅客列車の増発・速達化の余裕を確保する)

・低騒音化とメンテナンスフリーによって、社内外みんなから愛される仕様にする。

以上の3点に重きを置いて開発はスタートしました。

ちょうど同時期に他社では大出力交流モーターを使用した新型機関車が開発されており、黒電もその後に続く形での開発となりました。


開発は黒電八幡島工場×八幡電気が91・92号機を、碧水重工×水源電子が93・94号機を担当し、コンペ形式の競作とされました。



特徴

91・92号機はED300型1次車をベースに切妻車体を採用しました。この構造はEH300型への改造工事に活かされました。

大型のモニター屋根を搭載しブロワー排気は上部から行うことでホーム停車中等の騒音レベルを抑えることを狙いました。


93・94号機は国内の電気機関車では珍しい流線型構造を採用しました。機器搭載スペースは減りますが、新幹線でも実績のある形状は空気抵抗の減少による高速運転を実現しました。

騒音レベルの低減については、自然通風式として機器をそもそも積まないことで音源自体を無くしてしまおうという考えに至りました。側面の通風口は黒電の機関車の中でも最も大きく、モニター屋根にもたくさんの通風口を設けています。この機構に実用上の問題はありませんでしたが、過負荷時に機器の故障が想定されることから、現在はEH100型と同タイプの小型送風機を設置しています。



近況

93・94号機の送風機設置以外は目立った改造も行われず、現在も他の機関車と混じって運用についています。

なお、8000kW/hの出力で運用する運用もあり、単機でも力強く貨車を牽く姿は高い人気を誇ります。



この4機で得られたデータは95号機以降の試作車においてブラッシュアップが行われ、結果EH500型の量産車や既存車の改造に大いに貢献しました。

今の黒電貨物は、この4機無くしてありえない。そう言っても過言ではありません。